3000年の歴史を持ち、日本最古の温泉の一つともいわれる道後温泉。
神話の時代の大国主命、斉明天皇や聖徳太子をはじめとした皇室の方々、
正岡子規や夏目漱石と言った文化人など、実に多くの来訪の記録が残ってます。
明治27年に改築された”道後温泉本館”は、平成6年に公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されました。
現在多くの観光客でにぎわう道後温泉、その湯の危機を救ってくれた人物のことを知って欲しいのです^^♪

その方の名前は”塩田岩治”(1895-1983)

元利根ボーリング株式会社の社長さん、ボーリングマシンのパイオニアです。
魯山人と親交を結び、その良きパトロンとして長年制作を支えた方で、
世田谷美術館の塩田コレクションをご存知の方は多いかもしれませんね。
(総数157点にも及ぶ魯山人の作品を寄贈した)
3000年前から変わらぬ湯の恵み、現在は18ヶ所から湯をくみ上げています。

昭和21年の南海大地震で道後の湯が止まり、その後、湯は出たけれど湯不足の危機に陥ったそうです。
ボーリングをしてくれる人はいなかったそうです。
そこで名乗りを上げてくれたのが塩田岩治氏…♪

「すでに増湯の望みなしと言われたことなど直接聞くに及んで、大いに動かされるところがあった」

道後温泉本館…”又新殿霊の湯(ゆうしんでんたまのゆ)”…皇族の入湯用に建てられたもの。
「この難工事を遂行するには自己の出費と責任で、自由な立場で行わなければならない」…手記より

道後温泉本館を見渡せる場所に立つ銅像…♪

道後温泉の掘削は困難を極めたそうですが、
新たなドリルの開発や掘削方法の閃きで成功し、道後の湯の量が3倍になったそうです。
親交のあった姪御さんの話しでは、(亡くなった時)家をたたんでも現金とかは一切ないんです。
研究の方に回したのでしょうね、残らなくなるほど全部仕事に…。

「人間の生涯にはやって良かったということもあり、また手を着けるのではなかったと後悔する仕事もある」

道後温泉本館…”南棟”
「由緒ある道後温泉に手を着け、十分にメスを揮う(ふるう)ことができたという仕合せを感じつつ
実によいことをしたと喜んでいる」…手記より

塩田岩治氏の情熱なくしては、今の道後温泉の発展はなかったかもしれないですね。
ボチっとしていただけると嬉しいです。

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